GW明け。 後ろの席に座った苗床を振り返る。 「おはよ」 「おはよー」 そこで終わっちゃ苗床はうろうろとどっかに行っちまうので、なにがなんでも話を続け るのが朝の日課だ。 「苗床って、俺にはまったく遠慮がないよな」 「何の話?」 「昨日、親しき仲にも礼儀ありって言ってたろうが」 「その話か」 「俺にはなんで遠慮がないんだ? 言いたい放題だよな」 「遠慮があってほしい?」 「なくてもいいけどよ。なんでないのか理由があるなら聞きたい」 「ほら、ね、椿君は遠慮しなくても大丈夫じゃん」 ……苗床が笑った。 「だって、遠慮しなくても、楽しくなくても、愛想悪くても、椿君は一緒にいてくれるで しょ?」 お前。 「だから安心していられるんだよね」 えへ、じゃねぇ。 なつかない癖に、なんつー可愛い生き物なんだよ…… |