夏草から、スタバに呼び出された。 「なんだよ、いきなり」 ハニーオレンジフラペチーノを持って、既に待っていた夏草がいる席までいく。 「椿」 なんだか妙に思い詰めた顔で、夏草は顔を上げた。 「ゴメン、いきなり呼び出して」 甘くなさそうなコーヒーを前にして、また夏草は俯いた。 なんか珍しい感じだな。 空気読めない位、明るく大雑把なのがこいつの取り柄なのに。 「俺、考えたんだ」 珍しく脳みそ使ってるからか? 「俺、花井のことちゃんと見えてなかったなって……椿にはわかってたんだな。それで、 俺」 決意の色を見せて、夏草は俺の顔を見た。 「椿にやっぱり聞いておかなきゃって思って! 椿! 椿にとって、花井はどういう存在 なんだ?」 ……そうか。 それを聞くために、わざわざ呼び出したのか。 ――なら、誠意をもって答えなくちゃな。 「俺にとって、花井は……」 「……いつか必ず倒さなくちゃならない、ラスボスだ!」 「椿……」 |